東京すくわくプログラム 報告 なのはな 2歳児

アルバム

【テーマ】光と影

【テーマの設定理由】(テーマに関する子どもの興味関心、園の特色など)

散歩中に自分の影に気付いた児がいて、他児に伝えた事により皆が影を意識するようになる。自分の影が動くことによってついてくること、様々の物に影があることに気付く。また、午後になると部屋の窓から太陽の光が室内に深く差し込むことに気付いたり、ままごと用の色水を光に当てると色のついた影が見えることにも気付いたりしたので、影を使った遊びや、色を意識した活動を取り入れてみることにした。

     

【活動スケジュール】

・影の探索(自分の影、友だちの影、固定遊具の影、建物の影など)

・散歩中の影の移動の観察

・影踏み遊び(影を踏むことから、追いかけっこへの発展。大きな影に入れば隠れられる事への気づき)

・色水ボトルの観察

・色のカード(harlekino)を使って色の紹介(混ぜると何色に変化するか)

・ライトテーブルで遊ぶ(単色で見る、重ねて見る)

【活動内容】・自分の影、樹木の影、建物の影など様々な形がある事に気付く。人間の影は、動くと一緒に付いてくることや大きな影によって隠れることに気付いてきたところで、影踏み遊びを提供した。

・人間や建物の影は「黒」だが、色水ボトルの影には色が付いている事に気付く。色水ボトルをライトテーブルに乗せたり、戸外に持っていき光に透かしてみたり地面に置いてみたりしながら見え方の違いを発見できるように援助した。

・色が混ざり合うことの面白さを伝える絵本(あおくんときいろちゃん)で混色の面白さを知らせてから、色のカード(harlekino)を使って実際にやってみた。はじめは集いの中で保育士がやって見せ、やり方を知らせてから子どもたちが自由に活動できるように室内にセッティングした。

     

・セロファンで作ったカードを用い、色のついた影を楽しんだ。色水ボトルと重ねることによって混色ができるかなど、子どもたちの自発的な発見を援助した。

活動中の子どもの姿・声・子ども同士や保育者との関わり】(活動の内容、活動中みられた子どもの姿・声、子供同士や保育者との関わり)

・影を踏まれた時に保育士が「イタイ!」などの反応をすることで、影を踏む楽しさを導入した。遊びを進める中で影踏み遊びは大きな影の中に隠れられる事や、微妙な距離感で走る楽しさを味わうことができた。

・色水ボトルは元々ままごとコーナーで使用していたが、コーナーがちょうど光が差し込む窓際に設定してあることで「色のついた影」に子どもたちが自ら気付く。色の影への興味を引き出すためにライトテーブルを使用。さらに混色の意味が分かる絵本を紹介したことで興味を持った。その興味を広げるためにカード(harlekino)を活用し、室内の明かりでかざすだけでなくライトテーブルを使った遊びへと発展させた。ライトテーブルにかざすと色が鮮やかになることで、さらに興味を引きたてた。

・カードで手軽に混色を体験できることで、普段机上での遊びに興味を持たない児も、色の名前を口にしながら楽しむことができた。

【振り返りによって得た保育士の気づき】大まかなテーマを決めたところで、柱となる活動をいくつか考え、子どもの反応によって内容を変えたりアレンジしたりしながら進めていった。「子どもの発見」を引き出すには、大人のきっかけづくりやヒントが不可欠であり、大人が一緒に楽しみながら活動することでより有意義な時間を過ごせることを改めて感じた。導入で使用した「あおくんときいろちゃん」の絵本をプロジェクターで投影しながら、絵本の世界に入ってみるという活動も継続的に行っていきたい。